2005/12/21

医療マネージメント学会

はじめに この学会に参加して 目からうろこ!!だったこと…。
今 多くの病院には “ヒアリハット”というような「“ひやっ”としたときの報告書」がある。
これは ひやっとしたというぐらいの小さな情報を集めることにより 大きな事故やミスを防ごうというものである。しかし 大抵の病院でのこの報告は 報告書的なものではなく始末書になりがちであるということだった。それは 報告の際にあまりにも詳しく書かせる為に 本来の目的からずれていきがちである事を知った。

確かに 私も勤めていたとき書いたことがあるが なんだか自分の落ち度ばかりを書いているようで…書いていて あまり気分のいいものではなかった。じゃぁ その報告書をどのよう変更にすればいいのか!?

病院での報告書には “書くべき項目”の中に When Where Who What Why How の6項目を書くようになっている事が多いが Why & Howについては アセスメントになるので 報告者が想像や主観で書く必要なない。それゆえ これらを報告書から省くこと。また 原因や再発防止策、気づきもしくは振り返りの項目も必要ないものであるということ。これらのことを記載させることにより 報告書ではなく始末書になってしまう。事故分析等は他のもの(責任者や安全管理委員会)のがする役割であり 報告者にはその必要はない。ということだった。

この報告書の目的は 小さな気づきから大きな事故やミスを防ぐというハインリッヒの法則(1946年:重大事故1つの影には 微妙な事故が29 そして障害に至らない事故が300ある)からきているのだった。だから 報告書は始末書ではなく 少しでも多くの気付き(障害に至らない事故)が書かれることにより 事故防止につながるようにすることが大切である。

…言われてみると…なるほど!!でした。


次に…びっくりしたこと。
この学会で まだ “リキャップ時の針刺し事故”の話が出ていたこと。リキャップとは 針を使って注射や採決した後 針をキャップに戻すことを言う。私は この時に起こる針刺し事故が多いため もうすでに禁止になっていると思っていた。オーストラリアでは 注射針すら使う機会が少なくなっていて 医療廃棄物として処理しないといけない針を減らす意味からも入院患者に対してはプラスチックのものを使うことが増えている。針を使う際にも 使用後 針をすぐに廃棄できる小さな容器もいっしょに持っていくのが当たり前である。

この時の発表でもリキャップによる針刺し事故は 1/3以上だといっていた。しかし 彼らはリキャップを中止にするとかではなく発生時間帯に分けて事故の起こりやすい時間帯を出した。というのだ…それが たしか…10時と16時と言う結果であったと思う。でも これ…病院に働いている人なら気がつくはず…この時間帯 点滴の終了時間なのである。そう…針に触る数が多くなればもちろん事故も増える。

なぜ 針刺し事故の話なら 原因が明確になっているリキャップを中止にしないのか…
この発表…私には なんだか納得がいかない話だった。


最後に 怒ったこと…
それは “新人看護師教育”についての発表であった。この総合病院…新人看護師を2年間 3ヶ月ごとに ICU、手術室、循環器病棟、消化器外科というようにオーテーション研修を行ったというのだ。その背景としては 入社時より同一部署に配属されることにより偏った専門性を持ち看護師の育成が不十分であると…。
でもこれって 変!!
専門性とは 特定の分野を極める=偏っているものであるといえるのではないか?それに 今は いかに専門看護師を育てるかが大切である。その理由としては 治療と患者の持つ疾患が複雑になる中 看護者の知識(看護の質)=患者に直接影響してくることであるからだ。その上 慣れたと思えば配属を変えられる…新人看護師の慣れるまでのストレスをどう考えるのか。また この短期オーテーションではストレスや自信がもてないことも予測される…そんな状態の看護師から受けなければいけない看護をどう考えるのか…。確かに 指導者という看護師はついているだろうが…日本のこの労働条件きっとずっと付いているわけではないだろう。

2年もの期間 看護師たちの貴重な時間をとるこのシステムを考えだす。何でもできる看護婦を育てる。この考えに 私は 反対だ。100歩譲って(笑)?3ヶ月ローテンション研修で満遍なく学べたとしても 何でもできる看護師はそんなに簡単に育たないない。今 看護師も専門分野を持ち医者や薬剤師等のいろんな分野の人と スペシャリストとして意見交換することが大切であると考える。そして こんな医療の進みが速く 複雑な合併症を抱えた人が多いからこそ 看護師も専門分野を持ち患者に情報提供そして看護することが必要だと考える。病院に便利な どこにでも配置できる看護師を作るのではなく 患者を中心とした看護環境を考える必要があると思う。

看護の質や医療の質という言葉が たくさん使われていたけども…
それは何をさしているのか?誰のためなのか?
こういう話をすると いつも患者の存在や看護者の労働状況が無視されているように思えて…怒りを感じる。看護者の労働条件は 私が看護師だからいっているだけではなく これこそ看護の質に影響するからだ。 そして それらに影響されるのは いつも患者だ。


いろいろ書いたので…医療関係者でない人にはちょっとピンとこないかもしれないけど…ちょっと 知っていてほしいと思った。
だって だれもが 患者になる可能性があるから… 他人事ではないと言うこと…。
確かに 日本の医療は進んでいるといえる…
だけど 何かが遅れているような気がする。
それが 何なのか…何なんだろうね。
みんなのいろんな意見を聞かせてもらえたら・・・と思ったから いろいろな人と話した。
でも いまもまだ いろんな意見を聞いてみたいと思うので・・
何でもいいので 感じることや思うことあれば 教えてください。
また 参考文献が必要な方はお知らせください。 

もうすぐ クリスマス…すてきな時間をお過ごしください。        

7 件のコメント:

ひで さんのコメント...

まいど。サラリーマンやってるといろんなしがらみを見るのよね?。注射にしても、種類変えるに変えれない闇のお金があったりね。製薬会社には元警視庁のお偉いさんが天下りしてたりね?。ま、そんな金もモウジャが現役な限りは難しいんやろな?。何を信じたらいいのかわからなくなってきた世の中でございます。長く営業マンやってると、物事をまともに正面から見る素直さがかけてくるような気がします。なんでもかんでも、裏を見ようとしてしまう、そんなわたくしでございます。ほな、また!

ひで さんのコメント...

http://ameblo.jp/bloghemumi/entry-10007095716.html

再びでおます。
これ、ともだちの歯科衛生士さんのブログ。
医療に対するいろんな気持ちを共感できるんちゃうかな?
ま、見てみたら。
オレから教えてもらったって言ったらわかると思います。
ほな。

Junko さんのコメント...

Hide。
いつもありがとう!
医療以外の分野からも物事を見て 意見やアドバイスをくれる。ほんとうれしい&とっても貴重!!日本に帰ってきて思うのは そういう人たちと話せること!!どうしても 勉強していると考えが偏ったり 自分の信じていることだけが正しいと思いがちになるからね。
また Hideのように経験から得てきた情報分析の仕方も大切なものだと思う。知っている人が伝えることにより また誰かに伝わり 記憶の片隅においていてもらう・・・いるか要らないかはその人の私の人生の違いだから。たとえ不必要だったとしても 知ってることに越したことはないから 私はそれでも 十分だと思う。

たださぁ・・・「女性にとってパートナーとの生活や子供育てが最高の仕事!!」的な考え方の私 個人的には 女性はもっと素直な見方だけで終われた方が かわいいかなぁ?!とも 思いますが(笑)

Cha Cha さんのコメント...

アメリカでも、リキャップは申してないみたいです。肝炎やエイズのことも、考えると、ぞっとしますね。

私が血液採取のインターンしてたときも、バイオハザードの箱は持ち歩き。あと、注射器に片手でキャップをつけられる機能がありました。これ、ちょっと図がないと、分からんかな?

病院とは異なりますが、アメリカの開業医のオフィスでは、メディカルアシスタントもいろいろな仕事ができるように、求められているようです。採血や、簡単な注射、医者のカルテの読み取り等、賃金が低い割には、結構、いろいろやらされます。(不満)

長くなってしまって、ごめん、でも、日本の状況はまだまだ、遅れてるようです。そういうことが、ざっとJunkoさんのレポートから分かったので、ありがたいです。これからも、がんばってね。応援してるよ。

Junko さんのコメント...

ChaChaさん!!
すごい偶然です。
だって 今日 Chachaさんどうしてるのかなぁ・・・。って思ってたんです!!
すごい!これって 以心伝心!

日本のシステムはきっとアメリカからきてるものが多いから 似てるんだろうなぁ・・と
前にChachaさんが 患者を移動さすときの状況を書いていただいた時になんとなぁく感じたんだけど・・・。難しいですね。

こうして アメリカの事情を教えていただけるなんて!!ありがとうございます!
すごくうれしいです。

Bambina さんのコメント...

generalistの養成って、日本独特の社会土壌のような気がします。でも、病院でも同じような状況だとは…。これから先、日本はもっとspecialistを輩出すべく、構造改革してい欲しいとブログを拝見して感じました。
また医療界のお話を聞けること楽しみにしています。

Junko さんのコメント...

Bambina&Manuさん

 そうかもしれません・・
日本の社会??考え方って 何でもできるって言うのが強いみたいですね。友達は 1つで2役(テレビデオ)とかのテレビが売れたり そういうの日本人すきよねって・・いってました。

 きっと医療業界だけの現象でないから 変えることは難しい・・それでも 知っている人たちや気がついた人は 人に伝えていき いろんな情報の公開をしていく事が大切で・・・その情報をまた いろんな方向から 考えてもらうことが必要なんじゃなぁいかなぁと思います。

きっと地道な作業なのかもしれないけど・・・
ちょっとでも 何かのきっかけになればいいなぁと思うと同時に みんなの意見を聞かせてもらって私の考えを見直していきたいと思って・・・。
いつも ありがとうございます!