2005/11/16

インド 3 -教育-


インドに行って 教育の大切さを知った。
人は習わなければ 知らないということを知った。それに気が付いたのは ICUでの患者さんの“深呼吸”を通してだった。
例えば 日本の病院で
「深呼吸してください」というと おそらく99%の人が出来るであろう。
が・・・インドでは ほとんどの人が肩を大きく動かして大きく息をしている。これじゃぁ 肺には空気が入んない。
ここに何の差がある??・・・たぶん教育だろう。
私達日本人は 体育の時間やラジオ体操を通して深呼吸の仕方を学んでいる。
99%の日本人が出来ること=義務教育が万人に与えた知識。
でも インドでは・・・教育を受けれる人はホンの一握り。
私の出会った子供達は青空教室に通ってた。それにも年齢的に限界がある。
収入を農業に頼っている家は 子供も数のうち・・・働くのだった。

じゃぁ・・・そんなこんな経験をしたインドの・・・何がいいのか?!
何がそんなに魅力的なのか。
インドの魅力・・・

私は 週に2回 村の診療所に往診についていった。
どこに行ってもそうだったが・・・インドの子供達はいつも私を家に誘う。
が・・私 都会の子なので「知らない人の家にいかない」と・・・かたくなに思っていた。
しかし 病院のスタッフに「行っておいでよ!」といわれ・・・
「大丈夫かぁ??」と 疑いつつ・・・家にうかがう。
そうすると いつもどこのおうちでも 1杯のチャイとお菓子が少し出る。・・・が
お茶を飲むのは私だけ・・・
「お菓子一緒に食べよ!」と 私が頂いたものを分けようとしても
「あなたは大切なゲストだから!」と私が食べてるのをにこにこしながら見てるだけ。
このチャイ だいだい一杯3円。
彼らの月の収入3000円。天候で収入が減る月もある。
・・・このたった3円のチャイ 彼らには高い。
そう 彼らは飲まないのではなく 飲めないのであった。
私は このことを知らなかったのだ。この事実に気が付いたとき・・・
私は恥ずかしかった。
なぜなら インドにいる間 私はいつも 心に怒りをもっていた。
インドが なぜ変わらないのかと怒ってた。こんなにも 貧しいのに・・・と。
しかし 貧しかったのは 私のほう。
私には 彼らのような 人を心からもてなす気持ちはない。
私は 世界中を行ったり来たり出来る お金も持った。
でも 恥ずかしながら・・・
私には 人として基本的なものがないことを 彼らから教わった。

この写真・・・私はここの診療所に行くのが あまり好きではなかった。
なぜなら ここの村の人はだれもまったく
英語がわからない でも 子供達はずっと 私の周りで何かを訴えてくる。・・・だから 私はここに居続けることがかなり苦しかった。

帰ってきて 写真を焼いて驚いた。
この子供達のまっすぐな目。
カメラを向けた 私に向かって向けられた子供達の目。
私は インドでは気が付かなかった・・・彼らのこの目・・・。
ただ 英語でコミュニケーションが取れない。と・・・
避けたがっていた この診療所の写真が・・・
私にとって最高で忘れらない写真となるとは 知りもしないで・・・。

この写真をいつも 机に飾ってる。
心を忘れそうになったとき・・・欲に走りそうなとき・・・
私は 彼らの純粋でまっすぐな目をみる。
そして また彼らに会いたいと思うのだった。

インドという国・・・貧しいのかもしれない。
でも 彼らにとっては 生まれてきてから そこに育ってきてるから
何も貧しくはない。当たり前の生活なのだ。
この クリスチャンフェローシップ病院を建てた Drタリアン氏が こう言っていた。
「私達は貧しくはない。シンプルな生活をしているのだ」と・・・。

ほかの国を知っているものとして・・・
インドの人々の差に腹が立った。他国との差に苛立ちを感じた。
でも私には わからない
インドが変わることがいいのか 変わらないほうがいいのか・・・。
たった1ヶ月だけしかいなかった私を 家族として受け入れてくれ 
最後には 涙 なみだで 別れを告げたインド。
誰と誰が兄弟なのかわからないぐらい
みんなが強く自然につながっている インド。
そんな素敵なインドだからこそ・・・
インド人がインドを変えることが大切なのではないかと思う この頃だった。

終わり・・・

2 件のコメント:

Marinka_ilmondo さんのコメント...

junkoさん
一気に1−3まで読みました。
言葉にできない思いで一杯です。

junkoさんが目にされたようなことが自分の目の前で起こったらどうするんだろう…と考えました。

優秀な人材の海外流出は悲しい現実ですね…。
特に、医療については…。

きっとインドの診療所でjunkoさんに会えた人はその時間と「心のぬくもり」を忘れずにいつまでもjunkoさんのことを覚えていることでしょう…。

インドは行きたい国の1つです。実際の様子は知りませんが、インドにまつわる文化や食、音楽など興味が尽きません。
チャイも大好きで、いろいろなチャイを作ってみますが、はやり本場の味をいつの日か…。

本日は、大変考えさせられました…。

Junko -やすだ じゅんこ- さんのコメント...

Bambina&Manuさん
こんにちは。インドから帰ってきてから・・・私に何か出来ることはないのか・・・と考えても何もなく。だした答えは
インドでの自分の経験を正直に人に伝えることでした。それが 私に出来る 大好きないインドの人たちへの 感謝の気持ちだと思ってます。お金で寄付するのもひとつだろうけど・・そんなんじゃぁなく・・・私に出来ることを考えた結果です。
ただ・・自分だけの経験からなので 価値観が偏ってたりするところもあるとは思うんですが・・・体験談として 誰かに聞いてもらいたくて・・・去年は 看護学校でも話す機会を与えてもらえました。ホンと感謝です。

だから ちょとでも 何か届くと ほんとうれしいです! 素敵なコメントありがとうございます!